千葉市中央区。
海風が吹き抜ける街に、今日も専業と兼業が集まる。
俺の名前はK。そう名乗っている。
かつては軍団の一員だったが、いまはノラの専業。ピンの立ち回りだ。


朝はマルハン千葉みなと店から始まる。
まだ10時前だってのに、駐車場はもう戦場みたいな熱気だ。
ホールの光は、金の匂いと焦げた夢の煙でできている。
この街じゃ、勝ち負けよりも「どう生き残るか」がすべてだ。


ZAP蘇我店では並び順バトル。
キクヤ千葉店では設定配分をめぐる争奪戦。
あの頃の俺は軍団の指示で動く歯車みたいなもんだった。
台を取って、データを取り、夜には収支報告。
だが、裏切りがあった。
リーダーの一言で、俺は切り捨てられた。

「もう群れない」


そう決めた日から、千葉の街は俺にとって孤独な盤上になった。

D’station浜野では、兼業の若者がスマホを片手にデータサイトをにらんでる。
フラミンゴ浜野じゃ、DMMエンジェルスのイベントで浮かれた空気の裏で、
軍団の打ち子たちがシマを占拠している。


俺はその光景を遠くから見て、ただ笑った。
「情報は命より重い。だが、最終的に信じるのは、自分の勘だけだ。」


その夜、一本の連絡が入った。
かつての軍団からだった。
「戻ってこい。今度はお前が打ち子を管理する立場だ。」
悪くない話だ。だが俺は迷った。
裏切りの記憶と、孤独の自由。
どっちが本当の勝利なんだろうな。


千葉市ぱちんこ憂愁。


ネオンが滲み、確率が揺れるこの街で、
俺はまた今日もコインを握りしめる。


※この物語はフィクションです。