墨田区、ネオンと煙草のはざまで


パチプロ。
それは、いまや嘲笑の対象か、都市伝説みたいな職業だ。
でも私は、いまだにその呼び名に誇りを感じてる。
墨田区のとある大型ホール――通称「E.A.T」。
噂と誤解が渦巻く、東京の“戦場”みたいな場所。


掲示板では専業がどうとか、店員の女がどうとか、毎日好き勝手に書かれてる。
でもね、そんなノイズに耳を貸してたら立ち回れない。
私はただ、回る釘と冷たい缶コーヒー、煙草の煙の中で息をしてるだけ。


最近、沖縄6の釘が微妙に締められた。
一見甘そうに見えて、ベースを削る小細工。
ネオアイムの島も同じ。見せ台が数台、あとは回収。
誰かが笑い、誰かが沈む――それがこの街のルール。


世間はパチプロを見下す。
「楽して稼いでる」「社会不適合者」なんて、好き放題言うけどさ。
それでも私は、この光の海の中で、自分を賭けて生きてる。
確率と人の欲望が交錯する場所で、呼吸してる。


今日もホールのドアを押し開ける。
湿った風とネオンの明滅。
回るか、沈むか。



勝ち負けの向こうに、まだ見ぬ自分を探しに行く。