福岡の夜はネオンと雨に濡れたアスファルトが混じり合い、ラーメン屋の赤提灯が揺れている。中洲の繁華街を歩けば、ハイブランドの香りを纏った美女たちが、視線だけで勝負を挑んでくる。そんな街の脈動に寄り添うのがパチプロたちだ。

兼業は「健全な市民」と「勝負師」の狭間にいる存在。だが“尊い”と持ち上げられる風潮には、どこか欺瞞を感じる。会社員として社会に繋がりつつ、休日は勝ちを拾う――それは調和というより、二重生活の疲弊かもしれない。

専業は孤高だ。福岡市内の大型ホールを巡回し、ひたすら期待値を追う。だが彼らの目の奥に光るのは、生き残り続ける者だけが知る冷酷な美学。軍団はまた違う。都市の影に潜むデータと組織力で、ホールの空気さえ支配する。まるでサイバーパンク的なハッカー集団。

結局、誰が正義でもない。ただ街の灯りに溶け込み、それぞれの哲学でリールを回している。尊いかどうかを決めるのは群衆の言葉ではなく、最終的に流れるメダルの音だ。

––おぬし、この「兼業尊い」神話、どう見える？