第3回、神戸の専業・兼業パチプロ日記「朝焼けのカニ歩き」。
ネオ新開地専業日記:第七章「朝焼けのカニ歩き」
モーニングからの狩場に向かうのが僕の日課だ。
朝の光がまだ灰色のうちに、駅前のコンビニで缶コーヒーを買う。缶を開ける音が、今日の開戦の合図になる。
ホールに着くと、すでに数人の影がいた。奴らもまた“狩人”だ。
沖ドキがリセットされているか、それがすべての分かれ道。リセットとは、店が夜のうちに記憶を消してくれた証。つまり、朝一の希望だ。
僕は監視、つまり店員の目を気にしながら、テキパキと島を渡る。これを「カニ歩き」という。
しゃがんで、立ち上がって、移動して、またしゃがむ。
この動きを極めると、人間ではなくなる。
僕はふと思う。「ここまでやると、本物のカニと間違えられるんじゃないか?」
そして、誰かが言う気がした。「あいつ、うまそう。茹でて食べたろか。」
……気をつけよう。
リセット狩りは専業の基本プレイ。
期待値という名の微かな光を追う者たちの、最初の儀式だ。
だが、これは“お店の厚意”に甘える行為でもある。
鬼か悪魔のような店主がいるホールでは、リセットなんてかけてくれない。
狩人が罠を仕掛けられて獲物になる。そういう日もある。
幸い、僕の狩場はまだ人情がある。
夜が明けるたびに、台は記憶を失い、僕にチャンスをくれる。
リセットランプの光を見た瞬間、胸が震えた。
ふふふ……これでまた、億万長者に一歩近づいた。
けれど、ふと頭をよぎる。
「いつまでこの繰り返しを続けるんだろう」
街のネオンが消え、朝の風が冷たくなったころ、僕は笑ってしまう。
秩序をもたらすとか、暗黒から救うとか、そんな言葉を掲げてる自分が、いちばんこのループに囚われているのかもしれない。
明日も同じ時間、同じ狩場。
だが、それでいい。僕はまだ、朝焼けの中でカニ歩きを続けている。
それが、僕の信仰であり、矛盾でもある。
兵庫県のパチンコ店
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モーニングからの狩場に向かうのが僕の日課だ。
朝の光がまだ灰色のうちに、駅前のコンビニで缶コーヒーを買う。缶を開ける音が、今日の開戦の合図になる。
ホールに着くと、すでに数人の影がいた。奴らもまた“狩人”だ。
沖ドキがリセットされているか、それがすべての分かれ道。リセットとは、店が夜のうちに記憶を消してくれた証。つまり、朝一の希望だ。
僕は監視、つまり店員の目を気にしながら、テキパキと島を渡る。これを「カニ歩き」という。
しゃがんで、立ち上がって、移動して、またしゃがむ。
この動きを極めると、人間ではなくなる。
僕はふと思う。「ここまでやると、本物のカニと間違えられるんじゃないか?」
そして、誰かが言う気がした。「あいつ、うまそう。茹でて食べたろか。」
……気をつけよう。
リセット狩りは専業の基本プレイ。
期待値という名の微かな光を追う者たちの、最初の儀式だ。
だが、これは“お店の厚意”に甘える行為でもある。
鬼か悪魔のような店主がいるホールでは、リセットなんてかけてくれない。
狩人が罠を仕掛けられて獲物になる。そういう日もある。
幸い、僕の狩場はまだ人情がある。
夜が明けるたびに、台は記憶を失い、僕にチャンスをくれる。
リセットランプの光を見た瞬間、胸が震えた。
ふふふ……これでまた、億万長者に一歩近づいた。
けれど、ふと頭をよぎる。
「いつまでこの繰り返しを続けるんだろう」
街のネオンが消え、朝の風が冷たくなったころ、僕は笑ってしまう。
秩序をもたらすとか、暗黒から救うとか、そんな言葉を掲げてる自分が、いちばんこのループに囚われているのかもしれない。
明日も同じ時間、同じ狩場。
だが、それでいい。僕はまだ、朝焼けの中でカニ歩きを続けている。
それが、僕の信仰であり、矛盾でもある。
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