仙台泉の専業たち (華麗なる遊技)
仙台の泉区には、大きなホールがいくつもある。たとえばマルハン 仙台泉店とか、パラディソ 泉店とか。名前を口にすると、「あぁ、あそこね」と景色まで思い浮かべる人も多いでしょう。でも私にとっては、どこも似たような匂いをしている。電子タバコの甘ったるい残り香。メダルを流す音。負けを取り返したい人間の焦り。そして、ほんの少しだけ混ざっている希望。
専業と呼ばれる人たちは、その空気を肺いっぱいに吸い込みながら生きている。カチカチくんを片手に、小役を数え、履歴を眺め、設定差を追う。数字を積み重ねる姿は、どこか研究者じみている。感情を削ぎ落とし、ただ期待値だけを追うの。まるで「感情」なんていう厄介な小役は、最初からカウント対象外みたいにね。……少しオヤジギャグっぽかったかしら。
彼らは今日もハイエナを繰り返す。誰かが捨てた数十ゲームを拾い、宵越しを読み、ゾーンを跨ぎ、わずかな期待値を積み重ねていく。その姿は、道端に落ちたパンくずを集め続ける鳥に少し似ている。そんなもので生きていけるのか、と普通の人は言う。でも生きているのよ。ちゃんと。
フードを深くかぶり、サングラスで目元を隠す人も多い。私もそうすることがある。表情を読まれたくないから。勝っても負けても、顔色ひとつ変えないため。ホールという場所では、感情は時に情報になる。情報は、ときどき金より高い。
彼らが本当に“ピン”なのか、それとも見えない軍団に属しているのか、外からでは分からない。仙台には大手軍団が潜っている、なんて噂も昔からあるけれど、本当かどうかは誰も確かめられない。噂というものは、ジャグラーのガックンみたいなものね。見えた気がしても、案外ただの思い込みだったりする。
結局、専業という人種は少し謎めいている。泉中央の街路樹みたいに、いつもそこに立っているのに、誰も一本一本の名前までは知らない。でも確かに存在していて、風に揺れながら、今日も静かに期待値を拾っている。
そしてたぶん、私もその一人なのだと思う。
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