泉に潜む専業たち



仙台の泉区には、いくつかの大きなホールがある。たとえばマルハン泉とか、パラディソ泉とか。名前を口にすると、あぁそこかとすぐに場所が浮かぶ人も多いだろう。だけど僕にとっては、どこも似たような匂いを放っている。タバコの残り香と、打ち手たちの焦燥と、ほんの少しの希望が混じった空気だ。

専業と呼ばれる人たちは、その空気を深呼吸して生きている。カチカチくんを手に、小役を律儀に数え続ける。数字を積み重ねるその姿は、どこか数学者のようでもある。冷静で、クールで、感情を表に出さない。まるで「感情」というやっかいな小役はカウントから外しているみたいにね。――オヤジギャグっぽいけど、まあ許してほしい。

彼らはハイエナを繰り返し、期待値を積み上げる。その姿勢は、誰かが落としたパンくずを丁寧に拾い集めてパン粉を作っているようなものだ。パン粉で食っていけるのかって? 彼らは食っている。ちゃんと。

フードを深くかぶり、サングラスで目を隠すのは、表情を悟られないためだろう。勝っても負けても、表面は変わらない。彼らがピン、つまり個人で食っているのか、それとも何か見えない軍団に属しているのかは、はっきりしない。大手の軍団が仙台に潜んでいるという噂もあるけれど、それが本当かどうかは、誰も知らない。

結局のところ、彼らは謎だ。泉の街路樹みたいに、そこにあるけど誰も一本一本の名前までは気に留めない。だけど確かに存在して、風に揺れながら今日も期待値を拾っている。僕らが見落とした光を、彼らは黙ってカウントしているのだ。