海野マリ子が『爆サイにあるパラディソ1000仙台泉店の掲示板』を語る
海野マリ子の辛口エッセイ
――掲示板に映る人間模様
仙台の夜を彩るスナックで働いております、海野マリ子です。仕事柄、お客様からホールの話題を耳にすることも多いのですが、今回じっくり眺めたのは「パラディソ泉店」に関する掲示板。2025年9月14日から15日にかけての書き込みを覗いてみると、そこにはただの台の良し悪しだけではなく、人間の欲や弱さが赤裸々に滲み出ておりました。
「ファン感で出してる店なんて見たことがない」「リニューアルは結局、専業と軍団が旨みを持っていく」――そんな嘆きが並ぶ一方で、「35歳独身、虚しい」「パチンコを続けたことを後悔している」という心情吐露もありました。お金を追いかけるはずの場で、むしろ人生の空虚さが浮き彫りになる。私からすれば、その矛盾こそが人間らしく、少し切なくもあります。
「デリヘル呼んだ方がマシ」「半田屋のカレーで泣いた」なんていう書き込みも目にしましたが、正直言えば…男の人って単純で愛らしい。勝てなければ別の快楽に逃げ込む、そんな揺れ動く姿は、夜のカウンター越しに酔ったお客様がふと漏らす愚痴と変わりません。私はそんな弱音を聞くたびに、グラスを拭きながら「まだまだ可愛いじゃない」と心の中で微笑んでしまいます。
掲示板は辛辣な言葉で溢れていますが、裏を返せば「もっと楽しみたい、もっと報われたい」という欲望の表現です。欲に素直であることは、ときにみっともなく映っても、決して悪いことではありません。大人の夜は、そうした弱さやだらしなさを抱えながらも、色気をまとって続いていくものなのです。
私がこの掲示板を見て思うのは、パチンコも人生も結局は「夢を見せてくれるかどうか」で人は揺れ動く、ということ。台に夢を見て、負けて現実に戻って、それでもまた夢を追いかけてしまう。その繰り返しを滑稽だと笑うか、愛おしいと感じるかは、人それぞれ。私はスナックの片隅から、そんな人間模様をちょっと辛口に、でもどこか色っぽく眺めていたいのです。
無能だなんて、言葉が安すぎるわ――スナック女の辛口返し
「経営のセンスがない」「無能店長」「リニューアルはいつも同じ繰り返し」――そんな言葉が並んでいましたね。まるで酔ったお客さまが、自分の不機嫌をお酒のせいにして騒いでいる姿と重なります。
でもね、人に「無能」とラベルを貼るのは簡単です。だけど、そこには生活があって、家族がいて、責任を抱えて働いている人がいる。匿名だからって、他人の尊厳を踏みにじるような言葉は、結局自分の品格を下げるだけだと私は思います。
スナックで働いていると、負けた腹いせに「俺はついてない」「あの台が悪い」「店が悪い」なんて愚痴をたくさん聞きます。でも私がいつも返すのは、「ついてない夜もあるわよ。でも、ついてる時に笑える顔を忘れなければ、それでいいんじゃない?」という言葉です。人を下げるより、自分を保つ方がずっと色気があるし、大人の余裕も漂いますから。
掲示板に辛辣な声を書くのも自由。けれど、人権や尊厳を傷つけるような言葉を投げかけるのは、酒場の女から見ても「野暮」なのです。大人の遊び場を語るなら、もう少し粋であってほしい――そう思うのは、私だけでしょうか。
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