サイコブレード福岡店 ― 第一章

博多の街外れにひっそりと残る「サイコブレード福岡店」。
昭和の香りを残す古びたネオンは、雨に濡れて滲み、まるで過去からの亡霊のように揺れていた。

そこで出会った男女――
彼はただの常連客、彼女は偶然立ち寄った新顔のスロッター。
最初は何気ない会話から始まった。

「この店、昔はもっと賑わってたらしいよ」
「ほんとに?今じゃ、まるで影みたい…」

二人は自然に惹かれあい、やがて恋に落ちていく。
だが、奇妙な出来事が立て続けに起き始める。
店の常連が次々と姿を消す。
裏路地の換金所では、血の跡のようなものが発見される。
そして二人の耳には、必ず同じ噂が流れ込んできた。

「オーナーが裏で動いているらしい」

しかし、なぜ彼らが狙われるのか。
理由は誰にもわからない。

ただ、不気味な影が二人を追い続ける。
逃げる途中、彼女は震える声で言った。

「どうして私たちなの?」

彼は答えられない。
答えを知ってしまえば、もう戻れない気がしたからだ。

そして物語は突然途切れる。
すべてが謎のまま、幕は下りる。

――つづく。