およそ、この世に「秘密」ほど、その香りを早く失うものはないのかもしれません。


大分、別府。湯煙が空をぼんやり隠すこの街で、私は今日も軍資金という名の「命の断片」を握りしめ、北斗の拳・転生2のシマに立っている。


昔、このシマには独特の静けさがありました。二百五十あべしで捨てられた台を拾うべきか、見送るべきか。

そこには打ち手それぞれの経験や勘があって、皆どこか必死だったんです。


でも、今は違います。


スマホを開けば、攻略情報はいくらでも流れてきます。「この煽りならモードB以上」とか、「この挙動なら追え」とか。

誰かがXに書けば、翌日には別府中の250あべしが消えている。

そんな時代になりました。


げんぱち氏やヲ猿氏、アキ氏みたいな人たちが、なぜ昔あまり多くを語らなかったのか。今なら少し分かる気がします。あれは秘密主義なんかじゃなく、この遊びを長く続かせるための優しさだったんですよね。


でも今は、インプレッションや承認欲求のために、皆が競うように情報を放り投げていく。なつめそうせき氏が「下振れれば普通に数十万負ける」と言っていても、一度広まった情報は止まりません。


ふと周りを見ると、300あべし近くで捨てられた台ばかり並んでいます。まるで役目を終えた骸みたいに。


何も知らない誰かが、希望を持って1200あべしまで回していた、あの頃の少し牧歌的な空気は、もうどこにもありません。


私はモードBを否定された液晶を眺めながら、静かに席を立ちます。


鉄の箱に魂を削られるくらいなら、いっそ温泉にでも入って、この情報まみれの頭を洗い流したい。


……ああ、今日もわずかばかりの期待値稼働。